ガン予防への大きな効果

 いまの増殖と関係するが、ガン検診などで「ガンはありませんでした」と診断されるとひと安心する人が多い。しかし、決して安心できない。なぜなら、臨床ガンがなかったということだけで、1cm以下の小さな潜在ガンがないと証明されたことにはならないからである。

 

 だから、ガンは予防の車要性が叫ばれる。ガンが増殖して臨床ガンになる前に、ガンの芽を早く叩いておくことがガンにならない第1の方法だからだ。

 

 先にもあげておいたように、忠南国立大学校医科大学の鄭先生は、「メシマコブ」のガン予防効果について確認している。韓国生命工学研究所でもまた、「メシマコブ」のガンの予防効果を明らかにしている。

 

 同研究所の実験では、B16F10メラノーマ (悪性黒色腫)を移植する7日前に「メシマコブ」を投与したグループと、なしも投与しないグループとの間の生存期間の違いを比較している。

 

 結果はどうだったか。

 

 なにも投与しないグループは、メラノーマ移植から25日を経過する前にすべてのマウスが死亡している。対して、「メシマコブ」を投与したクループでは、45日をすぎても約50%のマウスが生存しつづけた。

 

 あらかじめ「メシマコブ」を投ソされたグループの生存率が50%だったこの実験は、「メシマコブ」のガン予防効果の高さを示している。

 

 「メシマコブ」を投与されたマウスは、免疫力が高められている。そうした状態で仮にガンが発生しても(実験ではメラノーマが移植されている)、増強された免疫機能が正常細胞のガン化を防いでくれるのである。

 

 ガン治療の場合には、普通、1回lgで1日3回、つまり1日3gほどの「メシマコブ」が使われる。しかし、予防に使う場合は、それはどの量を摂らなくてもすむ。

 

 金沢大学薬学部の大田富久先生の研究によれば、サルコーマー80を移植したマウスの実験で100mg/㎏の「メシマコブ」では腫瘤阻止率が89・7%、その10分の1の10mg/kgでも55・5%の腫瘍阻止率が得られている。

 

 これらのことから、日頃から「メシマコブ」を利用すれば免疫力が増強され、ガンの予防に効果が得られることが分かる。「転ばぬ先の杖」という言葉があるように、たとえ少量でも予防的に「メシマコブ」を摂ることが丈夫な杖になってくれるだろう。

 

ガン臨床医はなぜ「メシマコブを」使うのか  北川栄志[著] 定価 本体1000円(税別)