「メシマコブ」を飲んだら大腸ガンが消えた。

                         吉田孝之(東京都・65歳・団体職員)

 

 診察室を走るように出た私は、ロビーの電話に飛びつきました。

 

 「これから退院するぞ! 手術がいらなくなった。ガンが全部消えているんだって!」

 

 よはどの大声だったのでしょう。ロビーにいた人がびっくりして、みんなこちらを振り向きました。

 

 ガンを宣告された人間にとって、むずかしい理論なんてどうでもいいんです。「ガンが消えた」という現実、これ以上にうれしいことはないのです。しかも、私の場合は手術もしませんでした。

 

 「メシマコブ」の体験を話すと、問いた人の反応は3つに分かれます。「そうか、よかったな」という人、「医者だって神様じやないからな」という人、「本当かよ」と疑かしげな表情をする人、この3つです。

 

 まったく違う3つの意見は、そのまま私の気持ちと同じです。「よかった」という気持ち、「医者は本当に分かっていたのか」という気持ち、それに「本当に本当か」という気持ちがあるからです。でも、最新の高い機械を使ってガンと診断されたんですから、検査への疑いは持ってもしかたないでしょう。

 

 2000年の3月、病院での大腸検査で腫瘍が発見されました。

 

 腫瘍といっても、半端なものではありません。7つもあったうえに、少なくとも2つは悪性、つまりガンといわれてしまったのです。すぐ入院して手術かと思いましたが、ベッドに空きがありません。1ヵ月後にはベッドが空くということで、手術は1ヵ月後と決められました。

 

 自宅待機の1ヵ月は、気が気じゃありません。1日1日が、熱く焼けた鉄板の上に投げ出されたように感じられます。不安がどんどんふくらみ、滅入る気持ちから家族に八つ当たりし、家族も腫れ物に触るような扱いをします。

 

 そのとき、家族のありがたさをしみじみ感じました。

 

 ガンを宣告されて4日もした頃、嫁いでいた娘が、「お父さん、メシマコブつてよく効くらしいから、絶対に飲んでよ」と、「メシマコブ」を届けてくれたんです。娘の目は真剣でした。その真剣な目を見て、私はこう思いました。

 

 「せっかく娘がくれたんだから、メシマコブというものを試してみよう。ガンなんかに負けてたまるか!」

 

 翌日から入院するまで、「メシマコブ」を1回1g、朝昼夜の1日3回摂りはじめました。

 

 そして、入院。手術の前には、いろいろな検査をします。本当に嫌になるはどの検査です。ようやく検査が終り、

 

 「いよいよ手術か、うまくいけばいいが……」

 

 と病室で待っていても、先生からは何の連絡もなく、看護婦にも聞いたほどでしか。ようやく看護婦から「診察室へ来てください」と言われて、廊下を歩いている間、

 

 「手術できないほど具合が悪いのか。いよいよ一巻の終りか」

 

 と覚悟して診察室に入ると、とんでもないことを言われたのです。

 

 「吉田さん、本当に不思議なことが起こりました。腫瘍が消えているんです。悪性のものも良性と思われるものも、全部なくなっています」

 

 キツネにつままれたような私は、思わずこう言っていました。

 

 「先生、悪い冗談はやめてください。そんなことを言って安心させて、あとで確認のためにお腹を開きましょう、なんてガンの手術をするんしやないでしょうね」

 

 信じられない私に、先生は、こう繰り返すばかりでした。

 

 「いや、古田さん。それはありません。本当に腫瘍が消えているんです。こんなことは、私もはじめてです」

 

 ここまで言われると、ガンが1ヵ月で全部消えたことを信じるしかありません。そのあと、私は電話に飛びついたのでした。

 

 「ガンなし、手術なし!・」

 

 ガンを宣告されてから、私かやったことは1つしかありません。娘がくれた「メシマコブ」を、ダメでもともとと1ヵ月足らず摂ったことだけです。

 

 いまも定期的な検査を受けていますが、ガンらしきものはまったく見つかっていません。メシマコブをくれた娘には、こんな親孝行をしてくれて、ただただ感謝の一語です。