インターネットによる社会革命

 従来はたとえば「自動車」というキーワードで検索すれば、大手自動車メーカーやディーラーなどの企業ホームページが検索結果ランキングの上位を占め、個人のホームページがランキングに入り込む余地は、ほとんどなかった。ところがブログ時代になって、企業ホームページと並んで、個人のホームページも検索結果ランキングの上位に入るようになってきたのである。

 こうした劇的な変化によって、ブログは無視できないはどの規模と質を兼ね備えはじめた。社会に対して、大きな影響を与える存在になってきたのである。

 そしてこの傾向は、グーグルによって、さらに加速させられた。

 グーグルが高性能な検索エンジンを提供したことによって、ブログは企業やマスコミの大手ホームページと、同じ力を持つようになった。

 なぜなら、以前は大手ホームページを最初に見ていた一般利用者が、検索エンジンをナビゲーション(道案内)に使ってあらゆるホームページを検索するようになったからである。検索エンジンで検索するという行為の中では、大手ホームページも個人のブログも、ほぼ等価値に扱われる。

 さらに加えて、アドセンスによって個人のブログは収益構造を持つことができるようになり、個人のホームページやブログは、企業やマスコミなどの大手ホームページとほぼ同じ立ち位置を持つに至ったのである。

 これはインターネットによる社会の革命である。

 いまや世界はどんどんフラットになり、すべての情報、すべての記事、すべての日記が、大手メディアに書かれたものであるか、それとも個人によって書かれたものであるかにかかわらず、同一平面上で語られ、利用されるようになりつつある。

 この流れは、現実にインターネットのビジネスの傾向にも影響を与えている。決して机上の空論にとどまるような、観念的な話ではないのだ。