カルシウム吸収率を上げるビタミンD

 

 

 食べ物の中のカルシウムの吸収率を向匚させるのがビタミンDであり、その仕組みについてはすでに説明した。ビタミンDのはたらきを増すためには、ビタミンDを多く含む食品を摂取する、日光により皮下脂肪言ビタミンDを産生する、肝臓・腎臓で活性型のビタミンDに変換する、の三つが必要である。ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、サバやアジなど青い背をした魚やタラの肝臓などに多く含まれている。その他、油を含む食べ物に多く、最近は脂肪からのエネルギー摂取量が総エネルギーの約二六・五%を占めるほど脂肪過多の傾向にある日本人の場合、よほど偏食や少食でない限り、不足することはない。しかも、ビタミンDが体内に蓄積された場合、壊されたり、分解されたりして減っていくのにかかる期間は、きわめて長く、一が月以上たってやっと半分になるていどである。このことから、大量のビタミンDを体の脂肪層にたくわえておけば、長期間にわたって食欲がなくなるなどの状況におちいっても、安心していられる。

 

 食べ物からビタミンDをたくさん摂るとともに大切なのが、日光浴である。だれでも皮下脂肪層には、ビタミンの素をもっているが、これに紫外線があたると一部が光化学的に変化する。魚など動物に由来するビタミンDであるが、一方シイタケやエノキダケ、コウジなどに含まれている植物性のビタミンDは、・・・と呼ばれる。