2014-06-26から1日間の記事一覧
先進国では高齢化を背景に、拡大した医療費を削減する動きが高まっている。日本政府も35兆円にものぼる医療費の抑制政策を促進している。その結果、GEやOTC市場が拡大し、これらのプレーヤーが急速に成長してきている。これが、現在の医薬品業界に起き…
現代医学の人工的な延命装置による生では、理念や思考をもたない「植物人間」となる場合がある。しかし、それは人間の「生」とはいえないから、そのような生を拒否するという個々人のリビング・ウイルが尊重されるべきだとの方向が模索された。 安楽死を「苦…
反対論を分析してみると、三つのタイプに分かれている。 ひとつは、弱者切り捨てへの懸念。二つ目は、高齢化社会で悪用される恐れがあるとの指摘。三つ目は、医師に生殺与奪の権利を与えることになるとの不安。これらのタイプには入らないが、漠然と「死」そ…
人間を必ずアルコール依存症にする遺伝子など存在しない。アルコール依存症は大量のアルコール摂取が続くことでかかる病気で、依存症に至る前に節制すれば問題は生じない。 だが、アルコール依存症になりやすい体質は遺伝する可能性がある。それはアルコール…
一般的にアルコール依存症患者には「依存的性格」が見られるという。依存的性格とは自分で責任ある行動がとれず、つねに誰かを頼ろうとする性格で、傷つきやすく、不平不満が心に蓄積していく。また、患者には飲酒を適量でストップさせる抑制心がふつうの人…
湿疹(eczema)は、皮膚疾患患者の1/3以上を占める多い疾患であるが、その本態、発症機序、分類に関しては諸論がある。 次の3徴候をそなえる。 1)点状状態status punctosus : 小さい点状要素〔小水疱・小丘疹・小膿疱・鱗屑など〕より成る。 2)多様性poly…
「ポリープ」とは隆起したもの全体をいい、両性の場合も悪性の場合もあります。頻度の高い良性の胃ポリープには「過形成性ポリープ」と「胃底腺ポリープ」があります。このほか、良性のポリープには「胃腺腫」があり、悪性のポリープに「胃癌」があります。…
動脈硬化がもたらす病気といえば脳卒中や心筋梗塞を思い浮かべがちですが、血管は全身にあるということを忘れてはいないでしょうか。 当然ながら、血管が硬くなり、つまるという病態は全身にも及びます。足や手などにある末梢の血管が動脈硬化の影響を受けた…
Valeant Pharmaceuticals Internationalは、同社の100%子会社「 Valeant Pharmaceuticals North America LLC」がLuzu(luliconazole[ルリコナゾール]) Cream, 1%でFDA承認を取得したと発表しました。 Luzu Cream, 1%は、18歳以上の運動選手の足指間の白癬(int…
痛風の発作は、体中の様々な関節で起こる可能性がありますが、主に足の親指の付け根の部分で起こることが多いです。病名の由来ともいわれる、「風が吹いても痛い」ほどの激烈な痛みはどうして起こるのでしょう。 人間の体の中には、尿酸という物質が存在しま…
医療技術の進歩に伴って看護技術もまた大きな変容をとげつつある。抗生物質の発見、普及以前には、「肺炎の看護がきちんとできれば、一人前の看護師である」と言われたものであった。当時は電解質の知識は無きにひとしかった。だが、今でいうところの水分収…
看護が職業として確立してから百有余年を経た。経験の長さに比して理論化が大幅に遅れているばかりか、確かな技術として提示でき得るものは、そう多くない。そのことが、看護を国民にとって有効な社会的機能であるという説明を不確かなものにし、人々の看護…
技術論は技術に関する学問である。技術学もまたその範疇にあるが、技術学の場合、それぞれの分野で目標を達成する方法を創造し体系化する。したがって技術学は、各分野の個別性・専門性を追求する点からは、井戸を掘るようにクテに深い追求となる。これに対…
看護の技術化の遅れといっても、それなりに試行錯誤を経て、発生時点からそれぞれの時代や社会の諸事象ならびに(狭義の)医療技術の影響を受けて変化を遂げ発展してきた。たとえば全身清拭一つをとってみてもそのことはあきらかである。 経験を大切にするこ…
看護過程に関する理解は、いまだに一致しているとはいえない。過程を言葉通り受けとめて、人間の実践プロセスというとらえ方もあれば、“看護過程”を道具として用いるという考え方もあるようだ。著者は、看護問題解決の過程としてとらえている。その実践のプ…
看護の理論化とか科学化ということへの看護界の関心の高さは、さまざまなセミナーや研修会への参加者数からも明らかである。ただ、新しく若い学問形成の途上にある。看護学”模索の過程で、気になることがないでもない。それは、看護の実践的側面が、理論とい…
一般社会においてもさまざまな不安全な状況が人々の健康をおびやかし、生命が危険にさらされている状況を見ないわけにはいかない。幼児時代から安全教育が行われ、消費者運動に見られる市民としての生活への知恵もまた、そうした安全性への関心の結果である…
今日、救命といえば、ME機器を駆使して生命の危機に出会った人々に対する手段であると理解されている。そのため、明らかに死を防ぎきれないと予測されている人や、高齢者に対する救命策は必要悪であるとの意見もあるようである。 だが、安全性の視点から、…
数百の看護事故・急変・死亡事例の検討から得た教訓を整理すると次のようである。 ① 患者の事実に接近する観察は急変を予測し事故を防ぎうる。 ② 観察ミスの種類は、看護師の見すごし、見落し、および先入観によるものである。 ③ 観察に基づく判断の適否は技…
生命の大切さを否定する人はいないだろう。したがって、生命の安全がおびやかされるような事態に対しては、あらゆる手段を講じなければならないのだが、現実の医療や看護の現場には、危険に満ち満ちた状態があることも否定できない。それらの要因を明らかに…
どのように幼く病弱であっても、重い障害をもっていても、この世に生まれ出たからには尊厳ある生を生きる権利がある。健康であれば、その健康を阻害されない条件のもとで、より健康な生活を送る権利がある。また子どもたちは、成人になるまでの成長発達の過…
安楽性という概念は大変難しい。多くの場合、安楽とは、苦痛や疼痛や不快や不安がないことをイメージして用いられている。だが、著者は、安楽性とは、患者が単に苦痛や不快や不安がないというだけでなく、病気や障害や年齢のいかんを問わず、人間の尊厳を維…
不幸にして事故が起きた場合、当事者を責めても事は解決しない。要は、事故の背景となった環境や体制や個々の技術などについて、どこに問題があったのかを正しく分析することに尽きる。そして、二度と同質の事故を起こさないためには、どうすればいいかをき…
古くから、看護の大きな目標の一つに。苦痛の軽減ということがあげられている。苦痛とは、身体の痛みや苦しみそのものを言ったり、痛みに伴って耐えきれないほど不快なことを言う。また、精神的な悩みも、許容の範囲を越えれば苦痛となる。 医学の進歩によっ…
「痛んでいる患者が『痛い』という言葉のほかに何をくどくど訴えることがあるのでしょうか」とは、疼痛に苦しむ父親をみとった看護師の言葉である。痛みのケアの基本は、その人の訴える痛みが、確かに存在するという「承認」が基本である。現代医学の進歩の…
ふつう人々が「食事」をイメージする場合、それは、口から何かを食べることであり、決してチューブなどを通したり、非食道経由の高カロリー輸液などでないことは確かであろう。食事という行為は、個体レベルでの空腹の周期的な反復をとおして、いつしかその…
排泄行為は、身分の高低や年齢の如何にかかわらず、また、どのように礼儀正しい人であっても、生きている限り生きていくために必要な行為であることは、誰でも知っている。自分の生活様式や習慣の中に溶け込んで、ごく日常的な営みである行為も、それが何ら…
排便行為やその結果としての便に対する感情は、その便の排出される過程にどのように関わったかによっても異なると思う。例えば検査技師のように、その排泄行為に全く無関係のまま、検体としての排泄物に向かう時、どのような感情がそこに起こるのだろう。量…
皮膚(スキン)は人体の基本的構成要素の一つである。身体の表層を覆う表皮と深層にある真皮の二成分にわけられる。表皮を形成する上皮細胞は、表皮の表面に近づくにつれて、形が扁平となる。手掌や踵などのように機械的刺激を強く受ける部位の表皮は厚さが…
療養環境を考える視点の一つに、安全性と安楽性も踏まえておく必要がある。安全性を保持する上での建築上のさまざまな問題、たとえば災害発生時にどう逃げるか、火災が発生したときの充満したガスをどう避ければよいかということについての安全性の問題も非…