2015-01-22から1日間の記事一覧
長崎大学医学部の片峰グループは、マウスを使って次のような手間のかかる実験を行った。マウスの脳に、一定量の病原サンプル(ヒトのヤコブ病患者から採取された脳懸濁物)を注射する。以降、二週間ごとに一〇匹のマウスから、脳、唾液腺、牌臓などの臓器を…
従来、地道な研究を続けてきたスクレイピー病研究者やヤコブ病研究者たちは、突然発表された“プリオン説”に大いに憤慨した。専門料学誌に詳細な実験結果が報告される前に大衆紙を使って宣伝がなされた、という学界の慣行破りに、まず不快感が先行した。しか…
プリオン説の本質は、スポンジ状脳症の病原体の正体が、タンパク質であるとする点だ。従来、病原体は細菌にしろ、ウイルスにしろ、すべて遺伝子(DNAもしくはKNA)を持っていた。だからこそ、宿主の内部に侵入した後、その遺伝子のコピーを増やして増…
米国では古くから高級毛皮の給源としてミンクが、“ミンク農場”で大規模に飼育されてきた。このミンクにも、伝達性スポンジ状脳症が発生する。最初の症例は、米国ウィスコンシン州のミンク農場で発見された。症状は興奮、運動失調、硬直、痙攣、昏睡などであ…