2014-09-29から1日間の記事一覧

リハビリ失敗と寝たきり

リハビリテーション訓練が順調にすすまなかった症例が、約半数にも達することからもわかるように、骨折前の歩行能力にくらべて治療が終了して退院するときの歩行能力が明らかに低下した症例は、約半数をがぞえた。とくに、家の周囲ぐらいなら歩けたという骨…

骨折を契機にボケるのか

骨折後に手術などをおこない、リハビリテーションを受けて退院するまでのあいだに新たな合併症を発生する割合は、きわめて少なくなっているが、これは日本のすぐれた老人医療および医療制度にもとづくものと考えられる。かつて私の勤務していた老人専門病院…

困難をともなうリハビリテーション

人工骨頭置換術後でも、骨接合術後でも共通していることは、手術後は可能なかぎり早く座位、立位へと誘導する、骨折のない三本の手足の手術をする前からよく動かし筋力を保っておく、などの早期リスビリテーションが、身体機能を低下させないために必要だと…

大腿骨頸部・転子部骨折の手術療法

大腿骨頸部・転子部骨折の手術療法はいまでこそ完成の域に達し、患者さんの身体機能を低下させる原因が、骨折部位や手術中のトラブルよりも、心臓疾患や脳卒中、がんなど他の合併症であることが多くなっている。しかし、いまから約七〇年前までは、大腿骨頸…

大腿骨頸部内転骨折

大腿骨軸にたいして骨頭がおじぎをする大腿骨頸部内転骨折は、もっとも多いタイプの骨折型である。この骨折型でも、折れた部位が大きくすれていない場合や、比較的若い患者さんで安静や訓練の指示が守れそうな場合には、大腿骨転子部から頸部をとおって骨頭…

 大腿骨頸部骨折の所見と対応

大腿骨頸部骨折の所見と対応 転倒後、立てない、臀部に痛みが走った、などの症状が見られれば、大腿骨頸部・転子部骨折を疑う必要がある。そのさい、患者さんを仰向きに寝かせてくわしく観察するだけで、骨折があるかないかがほぼ判明する。折れた側の太もも…

大腿骨頸部骨折の発生要因

大腿骨頸部・転子部骨折は骨粗轍症患者に生じやすいことにはまちがいないが、骨のカルシウム量がひじょうに低い人でも、つぎの一年間にまちがいなく骨折が生じるかといえば、そうとはいえず、一方骨のカルシウム量の少なくない人でも骨折にみまわれることが…

太もものつけねの骨折

骨粗蚣症の患者さんが転倒したさいに、膝を打つ、太ももをねじる、臀部を打ちつける、などで生じるのが太もものつけねの骨折である。この骨折は、骨粗鬆症の患者さんに生じる胸・腰椎や四肢の骨折のなかで、その後の生活に与えるダメージが大きいことから、…

基本は良肢位での固定

コーレス骨折ではフォーク背状の変形をしめすので、指を思いきり手のひらの方向、かつや骨柤館症と高齢者骨折や小指の側へ斜めに引っぱると同時に、骨折端を整復する方向に圧迫することにより治す。これらの操作はレントゲン像で観察しなからおこない、うま…

手首の骨折

転倒時に手のひらをついて生じる骨折が手首の骨折で、これも介達骨折に属する。前腕の骨は、手首近くで太くなっている橈骨と、肘関節付近で太くたっている尺骨とからたっており、この二本の骨が平行になったりして、前腕の複雑ですぐれた機能が保障されてい…

懸垂ギプス固定法とコットマン体操

上腕骨外科頚骨折の生じたのが青壮年者であれば、転位が大きかったり、腕を使う職業であ るなどの条件がそろった場合には、骨折部を切開して転位した骨折片を整復し、金属のクギやネジで固定するといった手術をおこなう。しかし、上腕骨頭付近の筋肉の走行は…

内臓にも異常をきたす

以前は、骨粗鬆症により胸・腰椎に骨折・変形をおこして、背中や腰が丸くなったり、身長 が縮んだりしても、腹部内臓にまで大きな変化を生じることはない、とされていた。もし、脊椎の変形が他に影響するとしても、胸郭を形成する肋骨の下端が骨盤の前方に位…

なぜ腰や背中が痛むのか

骨粗轍症にががると、まず最初に腰や背中がつぶれて円背や身長短縮をもたらすが、こ のさいには腰や背中の痛みをともなう。骨粗鬆症による腰背痛には三つのタイプがある。その一つは、胸・腰椎に大きな力が加わり圧縮されて生じるもので、四肢の骨折と同様の…

骨粗鬆症の患者さんの、胸椎・腰椎レントゲン像の観察によれば、変形している割合がもっとも高い脊椎椎体は、第一腰椎で約三一%、つづいて第四腰椎で二五%となっている。また、第九腰椎には約一八万に変形がみられ、この付近の椎体に変形の発生頻度の第三…

骨粗鬆症による症状

腰が曲がり、背が低くなるのは骨吸収につづく骨形成によってなされる骨代謝は、全身の骨のいたるところでおこなわれているものの、年齢や体の状態により、その速度や吸収・形成の均衡が異なる。また、骨格の部位によっても、骨代謝回転の・速度や均衡が異な…

骨粗鬆症は早期発見がむずかしい

骨脆弱化の生じる原因を、女性ホルモン欠乏、カルシウムの摂取・消化・吸収不足、運動不足、ビタミンD活性化障害、などの点から述べてきたが、これらと関連して、骨代謝に異常をきたしていることが発症の鍵になっている、といえよう。だれでも加齢にともな…

 骨粗鬆症の諸類型

骨粗鬆症とは 骨のカルシウム量が減少し、それにより骨が弱くなったために容易に骨折をひきおこす状態が、骨粗鬆症である。とくに閉経後には骨萎縮が進みやすく、その結果、いろいろな症状を訴える女性が多くなるが、この場合は閉経後骨祖銀症という。一方、…

女性に骨粗鬆症が多いわけ 日本に、どのくらいの数の骨粗察症患者がいるかについては、レントゲン像だけから推定する骨蜜度測定法だけから推定した数は出されているが、最近定められたレントゲンと骨密度測定法とを組み合わせた診断基準に基づいて推計された…